大学生による月釜体験レポート
神楽坂 志満金の月釜「施茶釜」にお邪魔しました。
寒さもすこし緩んだ去る2020年2月1日、志満金の月釜「施茶釜」に参加させていただきました。志満金は神楽坂にあるうなぎ屋さんで、お茶席はそのビルの地下一階で催されていました。裏千家 正教授 風野宗京先生ご社中の方々による快いお迎えの後、まずは志満金の席主加藤正さんにご挨拶しました。加藤さんも立教大学のご出身(筆者は立教大学茶道部所属)ということもあり、とても気さくにお話ししてくださいました。
当日は炭手前から見学させていただきました。大学では練習する機会があまりないため、興味深く拝見しました。釜が火から離れると、炭の火の光を直接目にすることができ、視覚からも火の暖かさを感じることができました。
床のお軸は柳生紹尚お筆の「紅炉一点雪(こうろいってんのゆき)」、香合は「荘子香合(そうしこうごう)」、お花はレンギョウと椿、花入は沈寿官造の薩摩焼でした。席主の加藤さんから、荘子香合は、荘子の「胡蝶の夢」という故事成語がモチーフになっているとご説明がありました。また、花入は沈寿官の作というご説明があると驚嘆の声が上がり、私含め皆様興味津々で拝見しました。
お点前は大炉でした。冬にしか見られないお点前ということで、とても興味深く拝見しました。逆勝手のお点前は私自身練習したこともありましたが、左右がわからなくなる難しさを実感していたため、よどみなくきれいなお点前の亭主のお姿に見とれてしまいました。主茶碗は「萩 白梅」、薄器は「雪月花中次」、数茶碗の中には筒茶碗が混ざっているなど、お道具からも冬らしさを感じることができました。お茶杓は銘「春を待つ」。席主の加藤さんのご自作でした。広口釜(佐藤光政造)から立ち上る湯気のおかげもあり、外の寒さを忘れる暖かな空間となっていました。
参加する前は、一般の方々に混ざって私のような大学生が参加することは、一抹の不安と緊張がありました。しかし、実際参加してみると、志満金の方や他の参加者の皆様が暖かく迎えてくださり、リラックスしてとても楽しい時間を過ごせました。それと同時に、大学の外に出向き、他大学のものとも違う「大人のお茶会」を見学でき、とても勉強になりました。神楽坂はお茶にまつわる場所が多くあるエリアです。神楽坂へお出かけの際、志満金の月釜(1月を除く第1土曜)がかかっているようでしたら是非ご参加ください。
(文:立教大学茶道部 荻田夢美)
釜日 | 毎月第1土曜(1月を除く)10時~15時 予約不要 |
参加費 | お気持ち |
会場 | 東京都新宿区神楽坂2-1 志満金ビルB1階 |
TEL | 03-3269-3151 |
アクセス |
JR「飯田橋」駅 西口徒歩1分 |
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