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大学生による体験レポート
一条恵観山荘茶会

文・立教大学茶道部3年 佐竹由衣


一条恵観山荘にて数寄屋建築を得意とする工務店・森の恵代表である松永賢司先生が開かれた春の茶会に参加させていただきました。鎌倉駅からバスで10分ほど移動した閑静な場所にある、竹で造られた大きな門構えの建物が一条恵観山荘です。後陽成天皇の第九皇子であり、摂政・関白を務めたこともある一条恵観によって営まれ、もともとは京都の西加茂に茶屋として建立されたものでしたが、昭和期に鎌倉に移築されて国の指定文化財になっています。



いよいよお茶会が始まる時間になり、江月庵という茶室に入りました。7畳ほどの和室で、床には一休禅師のお筆の色紙が飾られており、「ほとときすただは すぎじと 見えて けり あふち木 くらき さとの をちかた」という和歌が記されていました。一休禅師の色紙を間近にみることは初めてでしたので、とてもドキドキしました。


お茶会は松永先生とお客様がお話ししながら、終始和やかな雰囲気で進んでいきました。茶杓を持つ際の手の動きがしなやかであったり、茶筅通しを終える時に取り出し方がゆったりしていたりするなど、先生がお道具を扱われる際の丁寧さがどの所作からも感じられ、美しいお点前を拝見することができました。


また、今回のお茶会は薄茶席でしたので、お運びの方がお菓子をお出ししてくださいました。鎌倉にある茶の子という和菓子屋さんが作られた白牡丹という銘のお菓子で、色鮮やかで可愛らしい見た目が印象的でした。


最後にお道具を拝見いたしましたが、詳細を伺ったところ大変貴重な物ばかりで驚きました。まず、花入が高取焼で高取八山の作でした。高取焼は、江戸時代の頃は黒田藩の藩主のみに献上され、今でも一子相伝で受け継がれているとのことです。釜は辻与次郎作の四方釜で、こちらも利休さんの釜師として活躍し、豊臣秀吉から天下一の称号を名乗ることを許された人物が作ったお道具とのことでした。私の参加した茶席へ相席されたお茶会の撮影をよくされているカメラマンさん曰く美術館に展示されているような物があったとのことでした。そんな貴重なお茶道具を間近に拝見することができたので、なんだかお茶会の醍醐味を味わったような気がしました。


最後に、今回のお茶会の会記とお菓子を載せていた杉板の菓子器を頂戴いたしました。この日の様子をいつでも思い出すことができる心遣いに触れ、改めておもてなしの心を持ってお客様に接することの大切さを感じました。

松永先生とご社中の皆様、お茶会にお招きいただきありがとうございました。
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株式会社 森の恵
神奈川県横浜市栄区公田町1605
http://www.morinomegumi.jp/