大学生による茶道体験レポート
浅草 茶禅の茶道体験へ伺いました。
(文・田中彩乃)
9月にオープンされたばかりの浅草茶禅の茶道体験(45分間3500円)に参加させていただきました。
浅草雷門から徒歩2分の勉強堂ビルの5階に浅草茶禅はあります。エレベーターを降りるとビルの中とは思えない広々とした和の空間が広がっていました。
日本人だけでなく、海外の旅行者に向けても日本の茶道の素晴らしさを発信していらっしゃる裏千家教授竹田宗理先生の茶道体験に参加できるので、今回、私は特に海外の方の反応をお伺いしながら、茶道の体験を受講させていただくことにしました。
最初に行うのは、抹茶を碾く体験です。竹田先生が海外のお客様より受ける質問の中で最も多いのが、抹茶はどのように出来るのか?だそうです。食材を余すことなく消費するホールフーズの一つとして海外でも関心が高い抹茶。実際に茶臼を引いて抹茶をつくるという経験をさせてもらうと、口で説明するよりも、ずっとわかりやすく抹茶という食材について理解できる気がしました。
茶臼を引いて抹茶をつくる体験が終わったら、次は席入りです。先生から茶道の精神性や作法についての簡単なレクチャーがあり、手水舎で手を清め躙口から小間へ入ります。レクチャーを受けている間に聞こえる、手水舎の水の音は茶室に入るという緊張感が高め、凛とした空気を演出する気がしました。
「どんなに体の大きい方でも、慣れない着物に苦戦している方でも、ほとんど皆さん躙口から入りたいとおっしゃいます。」と竹田先生。
茶道の精神性について関心の高いのは特に海外のお客様。独特な茶道の雰囲気の中で、じっとお点前に見入ってくださる方がほとんどだそうです。小間の低い天井、お湯の音が響く薄暗い雰囲気が新鮮で建築に興味を持たれる方も多く、茶室という空間をとても落ち着くと感じる方が多いそうです。
茶道体験で頂いたお菓子は鋏菊(はさみぎく)。「お菓子が表現する四季に参加者のみなさん感心されます。また、外国のお客様には明るい色のものが喜ばれますね。」と竹田先生はおっしゃいます。
道具は全て設えられており、お菓子の説明が終わると竹田先生による薄茶のお点前に移ります。「道具の中でみなさん一番不思議に思われるのは水指。紅茶やコーヒーの文化の国からいらっしゃる方には、まず抹茶を点てるにも最適温度があることを説明します。」と竹田先生。
続いてはお茶を自分で点てる、ご自服体験。竹田先生の懇切丁寧な指導で、全く初めての人であっても、お茶を入れ、湯を入れ、点てる動作をこなせるよう丁寧にサポートしてくださります。
今回、お茶をいただいて驚いたのは、その味が苦味が少なくとても飲みやすかったこと。この抹茶は実は竹田先生が、京都宇治のお茶屋さんに特注したものだそうです。「参加者のことを考えて、飲みやすい味の抹茶を探し求めた結果、特別に注文することにしました。」と竹田先生。
「来年は東京でオリンピックが開催されます。スポーツの祭典ですが、文化の祭典でもあります。海外の方に日本文化を発信するのはもちろんですが、日本の多くの人にも自国文化の素晴らしさを再認識してもらうきっかけになったらと考えています。」と竹田先生。
今回、竹田先生の茶道体験に参加してみて、先生のおっしゃるように海外の方だけでなく、日本人も、これからは研修や文化学習など、様々な形で茶道に触れる機会がふえるといいなと思いました。
竹田宗理先生、本日はありがとうございました。
浅草 茶禅
東京都台東区浅草1-4-7 勉強堂ビル5F
http://www.chazen-co.jp/
今回の着物は、着物レンタル和楽庵に提供していただきました。お茶席にもオススメの、控えめで、かつ可愛らしさの残るコーディネートをインターネットで一式レンタルさせていただきました。草履やバックまでついた安心のフルレンタルです。一般的に自分で用意する必要のある和装下着や足袋、久しぶりに着物を着るというときに忘れがちな補正パッドやタオル四枚も一緒になっております。腰紐も6本も付属していて、出先で着替えることになっても困らない、手堅く安心なフルセットでした。
着物 色無地 御伊勢絹 ばら神宮裂文
帯 袋帯 唐織
提供:和楽庵 https://www.warakuan.jp/