Gallery hechi
ぎゃらりー へち
駅からほど近い閑静な住宅街に、オーナーの自宅の一角を改装して2012年にオープンした「Gallery hechi」があります。hechiは、時流や体勢に流されず自らが是としたことを実践し、食の煮炊きも茶の湯もひとつの手取釜で沸かしたという逸話をもつ伝説の茶人・丿貫(へちかん)」の名にちなみます。
はじまりは、裏千家茶道教授の池澤宗陽さんがメトロポリタン美術館で出会ったヤン・リーパオのバッグでした。ヤン・リーパオはタイ南部の熱帯雨林に自生するシダ系ツル植物で、それを素材に驚くほど緻密に編まれたバッグは、美しい光沢を放つ超高級品。タイ王室御用達としても知られていますが、材料も職人の技も絶滅の危機にありました。「この素晴らしい手仕事をなんとか伝え、残したい!」という思いに駆られた池澤さん。デザイナーとともに現地に何十回と足を運び、自身のベースにあるお茶の世界との共通点を見出しながら、10年以上の時間をかけてついに作りあげたのがhechiオリジナルのヤン・リーパオ製品です。
その過程で出会った縁とものづくりの魅力に導かれて、タイ、ラオス、ミャンマー、カンボジアの織物にも広がって、他にはない、異文化が融合した個性的で高品質なアイテムを生み出し、世に送り出しています。
それぞれの土地で育まれてきた文化、自然、工芸技術と、日本の暮らしや着物文化を融合させたオリジナル作品の数々。現地の職人とhechiデザイナー、日本の職人の技を併せ、糸選びから糸染め、織工程まで一切の妥協を排した唯一無二のものづくり。
ヤン・リーパオ製の茶道具。
手織の生地で作ったバッグ(3万5000円~)、トートバッグ(1万5000円~)。裏地や脇の生地にも高品質の手織タイシルクを使用。
すべてのhechi製品に対するオーナーの池澤さんの思いと職人の技を形にする、hechiデザイナーの清水史さん。折々に開催される個展のキュレーターも務めます。
hechiが選んだ作家を取り上げて、年数回、個展を開催。白はがね(ステンレス)茶釜(上)、火箸(下)ともに、鋳物作家・佐治真理子さんの作品。
併設の茶室は、広間と小間を備え、展示の際は作家の作品を設えることも。茶道初心者の方でも気軽にご参加できるGallery hechi企画の「季節の茶会」や、「子どものための茶道教室」「英語で学ぶ茶道教室」も不定期で開催。
2023年(令和6)2月25日、ホテル横浜キャメロットジャパン(横浜市西区)6階で「第二十六回 三貴会茶会」が開かれました。27年前に勉強会で知り合い意気投合した3人の先生方が年に1〜2回、共同で開催してきた歴史ある茶会です。毎回200人以上が参加するといい、この日も盛況でした。茶席は濃茶席、薄茶席、立礼席の3席が設けられ、点心は中華弁当が用意されました。
日本庭園の中に立つお茶室に濃茶席と薄茶席を設けました。今回は濃茶席を大日本茶道学会の伊東正樵さんが、薄茶席を大倉山で茶道教室「乙亥会」を主催する鈴木宗景さんが受け持ちました。
3席の担当は持ち回りとしています。今回、Gallery hechiのオーナー・池澤宗陽さんは立礼席を受け持ちました。茶釜は佐治真理子さんの白はがね(ステンレス)釜、水指は陶芸家・田中隆史さんの作品。
所在地 | 東京都狛江市岩戸北2-16-11 |
TEL | 03-6751-2127 |
営業時間 | 10:00~17:00 不定休 |
アクセス | 小田急線「喜多見」駅から徒歩4分 駐車場もございます。 ※お車でご来店予定の方はお手数ですがご一報いただけますとスムースです。 |
今後の開廊予定はホームページ等でご確認下さい。