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大学生による茶道体験レポート
入間市博物館にお邪魔しました。

(文・荻田夢美)

埼玉県入間市にある入間市博物館にお邪魔しました。西武池袋線の入間市駅からバスで20分ほどの所にある狭山茶の産地として名高い博物館です。

最初に訪れたのは入間市の歴史をまとめたコーナーです。入間市は明治以降養蚕・織物業で栄えた町ということもあり、生糸や織物産業に関する展示が多くありました。中でも石川組製糸を創設した石川幾太郎は、当時の取引相手との商談の場として西洋館(迎賓館)や茶室を建てたということを知り、とても興味がわきました。

このコーナーでもうひとつ私の目を引いたのが「道徳銀行」の扁額(複製)です。これは、かって入間にあった黒須銀行を設立した繁田武平に、渋沢栄一から贈られたものとのことでした。渋沢栄一といえば日本産業の父と呼ばれ、大河ドラマの主役や新貨幣の顔ともなる人物。そのような人に認められた銀行が入間市の経済に関わっていたことがとても興味深く思いました。
※実物は埼玉りそな銀行本店にあるそうです。

次に訪れたのは狭山茶のコーナー。入間市の南部にある狭山丘陵のふもとで最初に作られたお茶に「狭山茶」と名付けられたのが由来だそうです。この地域が茶栽培に適した地域だったこともあり、江戸時代に狭山茶の栽培を始めたと説明されていました。そして、現在でも入間市が狭山茶の生産量1位を誇っているとありました。狭山市ではなく入間市にお茶博物館があることがとても不思議でしたが、この説明で謎が解け、嬉しく思いました。

館内には他にもお茶の歴史に関する史料や急須などの茶器が展示されていました。栄西の『喫茶養生記』の書物や緑茶の製法、各時代でお茶を広めた人物の紹介など、お茶の世界に関わりのある人であれば知っておくべき情報が目白押しで、とても楽しく見て回りました。

入間市博物館には、お茶道具だけなく、煎茶道具、上田秋成や田能村竹田といった江戸時代後期の作品から現代のものも数多く展示されていました。私が大学で所属している茶道部では、普段煎茶のお道具を見る機会が少ないため、これらの煎茶道具はとても興味深かったです。



展示ブースの後半、特に私の目を強く引いたのは庵の茶室でした。豊臣秀吉が千利休に作らせた大阪城山里丸の二畳を再現したものだそうです。二畳という狭い空間で秀吉や利休が茶の湯の時間を楽しんでいたことに思いを馳せ、茶道界の末席に身を置くものとして感慨深く感じました。



最後に、博物館の敷地内にある茶室「青丘庵」も見学しました。このお茶室には12,5畳、8畳の広間と四畳半の小間、水屋や台所も充実しており、希望すればお道具の貸し出しにも対応してくださるそうです。大人の茶会だけでなく、学生の茶会を開くのにもぴったりの場所だと感じました。


帰宅してから、入間市博物館で購入した狭山茶を実際に飲んでみました。うまみが強く、深い味わいがあり、和菓子と一緒に飲むのにぴったりと感じました。

入間市博物館は、入間市や狭山茶だけでなく、お茶文化全体の歴史や魅力を学び発見できる場所でした。また、学芸員の皆様はどなたも気さくに、かつ丁寧に解説してくださり、この記事には書ききれないほどたくさんのことを学ぶことができました。ぜひ、また、足を運んでみたいと思います。

 

デジタル茶の湯マップ掲載記事はこちら

 

入間市博物館ALIT
https://www.alit.city.iruma.saitama.jp

所在地 埼玉県入間市二本木100
TEL 04-2934-7711
FAX 04-2934-7716
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
茶室「青丘庵」利用時間と料金 9:00〜12:00は2100円、
13:00〜17:00は2800円、
17:30〜21:30は2800円、
全日は7700円(いずれも1席の金額)
休館日 月曜・第4火曜(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始
アクセス 西武池袋線「入間市駅」南口から西武バス入間市博物館行きで20分、終点下車。
または同駅から西武バス二本木地蔵前行き、箱根ヶ崎駅行きで「二本木」下車、徒歩5分

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