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大学生による体験レポート 和菓子店の象東へ伺いました

文・立教大学茶道部3年 細川夏佳

 


東京都・東久留米市の和菓子店「象東」にて、店主の三浦和子さん(写真右)にお話をお伺いしました。象東は和三盆糖を菓子木型に詰めて押し固めることで成形し、作業台に打ち付けて取り出す打ち菓子(打ち物)を専門とする和菓子店です。


三浦さん打ち菓子作りを始めたきっかけは、菓子木型に出会ったことだそうです。それから打ち菓子を作るワークショップに参加し、保健所から食品製造・販売についての指導を受けてご自身のお店を持たれました。はじめは冠婚葬祭の進物として営業に回っていましたが、価値を認めてもらえなかったそうです。しかし、営業に回る中で日本料理を扱うお店で食後のデザートとして選ばれたことをきっかけに、ホテルや旅館、商社から注文が入るようになり、やがてお茶の世界でも知られるようになりました。象東の店頭には、白、ピンク、黄緑のような淡く優しい色から、赤や緑のような鮮やかな色まで様々な色合いのお菓子が並んでいました。私がお伺いした時はちょうど桜の時期で、桜モチーフのお菓子が箱の中で白色から桃色の中でグラデーションになっているのがとても美しく、これがお茶会で出てきたら感動するだろうな、と思いました。また、和風のモチーフだけでなく、バラや蝶といった洋風のモチーフのお菓子もあり、様々な種類があることにも驚きました。

象東には、お茶会での利用を検討されるお客様が大勢いらっしゃるそうです。お客様のオーダーに応じてお茶会の趣向やおもてなしにあわせた形や色の打ち菓子を作るだけでなく、茶会会場に出張してできたての打ち菓子をお出しすることもあるそうです。「お茶の先生のこだわりにはできるだけお応えできるようにしています」と三浦さんは言います。


象東では和三盆糖をふるってきめを整えた後に、少し水分を加えて柔らかくします。水分を含んだ和三盆糖を木型に詰めて成形し、作業台に打ち付けて取り出し、これを乾燥させて打ち菓子を作っています。取材したこの日は、特別にこの作業をしているところを見せていただきました。


今回の取材で、三浦さんのお話を伺い、美味しい味を追求することの難しさがわかった気がしました。これから茶道を続けていく中で、お菓子やお道具といった使うものについて深く理解しその違いや込められた思いを理解できるようになりたいと思いました。

 

和三盆工芸菓子 象東
https://zoto2011.com
オンラインショップ
https://zoto2011.com/product.html

所在地 東京都東久留米市本町1-4-29
TEL 042-420-7104
FAX 042-420-7084
営業時間 10:00〜18:00(土曜は12:00〜18:00)
定休日 日曜、祝日(他に臨時休業の場合あり。ご来店の際はお電話でお確かめください)
アクセス 西武池袋線「東久留米駅」西口から徒歩2分