大学生による体験レポート
くら馬 裏千家茶道教室
文・立教大学茶道部4年 細川夏佳

今回は埼玉県・大宮市にある「鉄板・懐石 くら馬」さまのお稽古茶事の見学にうかがいました。JR大宮駅からバスで8分ほどの場所に位置していました。

お稽古場は「鉄板・懐石 くら馬」さまの店内にありました。そのお稽古場は大きな池を目の前にした素敵なお茶室でした。錦鯉が泳ぐ池を個室がぐるりと囲み、静謐としながらも穏やかな時間が流れていました。

今回は裏千家の村山先生のお稽古を見学させていただきました。
お稽古の前に、先生とお弟子さんが床飾りの準備をしていらっしゃいました。軸は「掬水月在手」。かごの花入に、宗旦ムクゲ、女郎花、吾亦紅などを生けていらっしゃり、秋の風情を感じました。

先生はお弟子さんの前で、お花の向きや長さを調整していらっしゃいました。少し直してから半畳ほど引いて全体を見て、再びお花に寄って少し直す、ということを繰り返しながら、全体のバランスをとるようにしていらっしゃるようでした。その様子もとても素敵でした。
そのあとに灰形の準備も見せていただきました。夏の時期は、藤灰を使い、灰形の上に白い波を表現するということを教えてくださいました。一番暑い8月に向けて分量を多くし、それを過ぎると少なくしていくそうです。灰匙で爪の先ほどのふじばいをトントンと落としていく時、とても緊張感があり、見ているだけでドキドキしました。「やり直しが効かないから、集中が必要です」と先生はおっしゃっていました。
お稽古の準備が進むと共に、今回のお稽古に参加されるお弟子さんが次々といらっしゃいました。「久しぶり」「元気にしてた」といった、あたたかな声が行き交う和気あいあいとした雰囲気でした。

お稽古が始まると、まず先生から床やお道具のご説明があり、その後にお弟子さんのどなたが何のお稽古をするかを決めていらっしゃいました。今回のお稽古では、初炭点前をして、その後は貴人・貴人清次の薄茶・濃茶をされることになりました。
お稽古のはじめに、席入りの練習をされていました。お稽古までの和やかな空気とは違い、先生のご指導のもと自分の動きと向き合う緊張感のある雰囲気になりました。床やお道具の拝見、足運びなど、お点前だけでなくお客様としての作法をしっかり身につけると、いろいろなお茶会に自信を持って行けるようになるので、大切なお稽古だと改めて感じました。
席入りのお稽古の次は、初炭点前のお稽古を見せていただきました。学校茶道ではなかなか炭を使える機会が少ないので、とても勉強になりました。

また、お稽古中に、くら馬さまの焼印の入ったくら馬特製のどら焼きを頂きました。生地の部分がほんのり甘くもちもちとした食感で、餡の甘さとちょうどよくマッチしてとてもおいしかったです。

お稽古で使われているお茶碗はどれも本当にきれいでした。青色の方が、14代亀井味楽の作で、白色の方が、紫雲作の失透焼。どちらも色鮮やかで、小ぶりながらも手に馴染み、存在感のあるお茶碗でした。
今回うかがったようなお稽古は、表千家と裏千家で月2回ずつ、現在は、表千家は第1月曜日と第3月曜日、裏千家は第1火曜日と第3火曜日に行っているそうです。詳しくは「鉄板・懐石 くら馬」のHPをご確認ください。
| 住所 | 埼玉県さいたま市大宮区三橋1-668 |
| TEL | 048-780-2653(ご予約専用) |
| 営業時間 | 平日・土曜 ランチ11:00〜14:00(LO)、 ディナー17:30〜21:00(LO) 日曜・祝日 ランチ11:00〜14:00(LO)、 ディナー17:30〜20:00(LO) |
| 定休日 | 無休(年末年始あり) |
| アクセス |
JR「大宮駅」西口からタクシー7分 |