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大学生による茶道体験レポート
入間市博物館雛まつり茶会にお邪魔しました。

 

文・立教大学茶道部 2年 木田雅晴


埼玉県入間市にある入間市博物館にお邪魔しました。入間市博物館は1994年に開館し、ALITの愛称で親しまれています。西武池袋線入間市駅からバスで20分くらいの所にあります。また、入間市博物館は2022年に放送された「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」のロケ地としても使用され、特撮好きから大変関心を集めている場所です。


入間市博物館では2023年2月11日~3月12日の間、アリットの雛まつりという名の催し物が開催されています。エントラスホールや休憩コーナーには豪華で美しいひな人形が展示されています。特にエントラスホールの古今雛は江戸時代のもので、大変歴史を感じるものでした。


本日は入間市博物館本館回廊で開催された茶席体験「雛まつり茶会」に参加させていただきました。席に入る前に待合にて短冊を鑑賞しました。短冊には「杏 種まきし昔の人ぞ慕わしき今も盛りのからももの花」と記されていました。この和歌を読んで桜の花が美しく華やかに咲いている様子を想像して、ウキウキした気分になりました。


お席に入るとお運びの方がお菓子を運んでくださいました。亀屋さんという和菓子屋さんがつくられた『弥生の桜』という銘のおまんじゅうでした。桜のようなピンク色の鮮やかな餡が美しく、優しい甘さで幸せになりました。


今回のお席は、抹茶を初めて飲む小さなお子様が多かったので、お運びの方が丁寧にお茶の飲み方を教えていらしたのが印象的でした。また、自由に歩き回るお子様もいたので、お茶碗を持ったお運びの方がお子様を避けながら歩いていて大変そうでした。お茶会でお運びを担当する際には、お客さんの様子をよく見て行動しなければならないなと改めて気づかされました。


お席の最後にお道具を拝見いたしましたが、大変に工夫された道具組で驚きました。釜が政光作の網地尻長 桜摘みで蓋の摘みに桜の透かしが入っているものです。水指は景雲作の染付桜川でした。この釜と水指から世阿弥の桜川を連想することができるようになっているのです。お道具の組み合わせによって能の世界へと広がるアイデアを素晴らしいなと感じました。このような工夫された道具組を自分もできるようになりたいものです。


お席が終わった後、常設展示室を見学させていただきました。お茶が広がる過程や狭山茶の歴史が勉強できたり、歴史のある煎茶道具などを鑑賞できたりしました。特に万古焼の煎茶道具が心に残りました。抹茶が必要とされなくなった時代に、失業しないように作られたものだそうです。こういったお道具の影響で万古焼の職人の技術が継承されていったことに深い感銘を受けました。

 

入間市博物館ALIT
https://www.alit.city.iruma.saitama.jp

所在地 埼玉県入間市二本木100
TEL 04-2934-7711
FAX 04-2934-7716
開館時間 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
茶室「青丘庵」利用時間と料金 9:00〜12:00は2100円、
13:00〜17:00は2800円、
17:30〜21:30は2800円、
全日は7700円(いずれも1席の金額)
休館日 月曜・第4火曜(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始
アクセス 西武池袋線「入間市駅」南口から西武バス入間市博物館行きで20分、終点下車。
または同駅から西武バス二本木地蔵前行き、箱根ヶ崎駅行きで「二本木」下車、徒歩5分