裏千家 鳥居宗富 茶道教室
うらせんけ とりいそうふ ちゃどうきょうしつ

テーブルを使い、椅子に座ってお茶を点てる立礼は、明治時代の初めに裏千家十一代玄々斎宗匠(1810〜1877)が考案した呈茶の作法です。正座になれていない外国人にお茶を出すための、新しい工夫でした。
時は流れ、現代の日本人の生活様式はすっかり洋風化し、畳の部屋で暮らすことは少なくなりました。正座そのものが、当時の外国人と同じくらい縁遠いものになったといえるかもしれません。
葛飾区金町で裏千家茶道教室を開いている鳥居宗富先生は、20年以上前から立礼式の茶道を教えています。「お茶に興味があっても、正座ができないからという理由で教室の扉をたたくことをためらう人は多いはず。立礼であれば、そうした心配はいりません」。立礼でお茶を学ぶ人が増えればもっと茶道の裾野が広がり、その楽しさ、素晴らしさを後世に伝えていける。それが希望ですと鳥居先生は語ります。
見学・体験をご希望の方は、こちらのページからお申し込みください。

2025年(令和7)10月、鳥居先生は稽古場を自宅の茶室から金町駅近くのマンションの一室へ移しました。正面に立礼卓、その左右に一人用テーブルと椅子を並べたフローリングの洋間が教室です。

壁色は自宅の茶室にそろえ、壁面の窪みを利用した床の間は置き床に。この日の掛け軸は鵬雲斎宗匠の揮毫で「安分以養福」。

制約の多いマンションのリフォームでしたが、キッチンを改装した水屋にも先生のアイディアが生きています。ガス台は不要なため流しと調理台だけにして、広い作業スペースと収納を確保しました。タオル掛けを使って柄杓を気持ちよく乾かす工夫も。

この日のお稽古で使われた茶碗たち。調理台の上にさり気なく伏せられていますが、手前から金沢の大樋焼、宇治の朝日焼、加藤唐九郎の志野茶碗と名碗ばかりです。

生徒さんたちに鳥居教室の魅力をたずねました。「畳の部屋が減っている今、立礼は日常生活の中で実践的だと思います」(高田幹生さん)、「膝が楽ですね。立礼という形も素敵だと思います」(神津恵子さん)、「良いお道具を拝見したり使わせてもらえるのが楽しい」(山上冨士子さん)、「新しい知識や作法が身につく。物の扱いが丁寧になり、姿勢も良くなりました」(近藤憲司さん)。「立礼の良さは何より足が楽なこと。そして自宅のダイニングテーブルで来客にお茶を出すときにも作法が生きてきますよ」と鳥居先生。堅苦しくなく楽しいお稽古が身上で、穏やかで優しい人柄も慕われています。
茶道教室は隔週水曜日と木曜日の14時〜20時に開いています。都合のよい時間に受講でき、受講料は出席する日に前納するシステムです。詳しくはホームページをご覧ください。

2019年(令和元)12月、外務省飯倉公館で開催された、駐日外交団などに地方の魅力を発信する外務大臣と地方自治体首長共催のレセプションにおいて、鳥居社中は奈良県国際課の要請で呈茶を行いました。正倉院校倉造りを模した立礼棚を用意し、大和茶を挽いた抹茶を在日大使の方々にふるまいました。

鳥居先生は学校茶道の指導もしています。2024年(令和6)12月23日には地元の金町小学校にて創立150周年を記念して茶道体験学習を実施。立礼でおこなったところ、児童が集中を切らすこともなく最後まで和気藹々と進行できました。

コナラの木立がほどよい陰影をつくる自宅の露地にて。鳥居先生はきものコンサルタントでもあり、自然な着こなしが素敵です。
茶道体験も随時受けつけいますので、ご関心のある方は下記よりお問い合わせください。
大学生による鳥居宗富先生の茶道教室体験レポートはこちら
| 所在地 | 東京都葛飾区金町6-10-1 ルックハイツ金町1308号 |
| アクセス | JR常磐線「金町駅」南口または京成金町線「金町駅」から徒歩3分 |