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楽茶盌 金井紫晴

らくちゃわん かないしせい

姿よく、茶は練りやすく、口当たりよく飲みやすく
よい茶盌は使い込むことで美しくなる

創作楽茶盌作家の金井紫晴先生が板橋区にある自宅に窯を築いたのは、50年前の昭和48年(1973)でした。法政大学で法律を学んだにもかかわらず、まったくの独学で楽茶盌を研究して技法を習得し、創作の道を歩むことになったきっかけは、展覧会で観た長次郎の「無一物」でした。その圧倒的な存在感に心を奪われ、自分もこんな茶盌をつくってみたいと強く思ったそうです。38歳で初の個展を開くと、独自の感性と技法を駆使した作品はたちまち注目を集め、平成8年(1996)からは日本橋三越本店で定期的に個展を開いています。

先生は宗繁という茶号を持つ裏千家教授でもあり、自宅の茶室で茶道を指導しています。もとは先生の母・金井宗泰さんが始めた教室を引き継いだもので、結婚後は妻の金井宗智先生(裏千家学園卒・裏千家正教授)と二人三脚で歴史を重ねてきました。学校茶道にも積極的に取り組み、宗繁先生は母校である法政大学の茶道研究会の師範、宗智先生は東京家政学院中学高等学校の茶道非常勤講師として学生たちの指導に力をそそいでいます。

先生が常に茶盌づくりにおいて立ち返るのは、「茶盌は茶道具、使ってこそ茶盌」という原点です。お点前ではお茶が練りやすく、いただくときは「口当たりがよく、手になじんで飲みやすい」ようにつくられた茶盌こそがよい茶盌。そうした茶盌でひととき、心楽しくお茶を味わってほしい。そこには、数多くの教え子とふれあってきた茶道教授としての、次の世代へのメッセージも込められています。

茶道教室は、入門から奥伝までの一般コース、七事式(花月)コース、子供コースとあり、稽古日は月3〜4回です。見学も受け付けています。詳細はホームページをご参照ください。
https://www.cha-dou.com/cont2/5.html


左から鶸色釉沓形茶盌 銘「面白や」、赤掛け分け茶盌 銘「和の祈り」、黒茶盌 銘「峯山」。鶸色釉は、金井紫晴先生が50歳のときに見つけた新しい釉薬。「和の祈り」はベルリンの壁の破片を使い、赤を西ドイツ、白を東ドイツの象徴として平和統一を表現しました。


ユーモラスで親しみやすい作品も。左から砂釉赤筒茶盌、黒変わり形茶盌 銘「静窓」、赤茶盌 銘「手に手繫いで」。


「よい茶盌は姿がいい。それは遠くから見てもわかるものです」と金井紫晴先生。「使い込むことで味わい深く、美しくなる茶盌。それが私の目指す茶盌です」


茶道教室で指導する在りし日の母・金井宗泰さん。


金井紫晴先生のご自宅は、大山駅前に延びる商店街の一角にあります。


 



稽古は自宅の茶室で。築90年以上になるという風格漂う部屋は居るだけで心が落ち着きます。写真は初炭手前や七事式の稽古風景。指導は金井宗智先生。先代から通ってきているお弟子さんたちに混じって中学生の少年の姿も。


点前座につくのは、法政大学茶道研究会の委員長だった社会人5年目の青年。掛け花入れ、茶盌は鶸色釉を使った紫晴造。


隣室では立礼の稽古も行われました。なごやかな様子がうかがえます。


平成31年(2019)3月に妙深庵(世田谷区下馬)で開かれた、法政大学茶道研究会の送別茶事より。



小学生(3〜6年生)を対象とした茶道入門の「若葉会」の様子(月1回、日曜日に開催)。床荘りの話しや、点前の実習に子どもたちは興味いっぱいです。

楽茶盌 金井紫晴
https://www.raku-shisei.com

茶道教室
https://www.cha-dou.com

所在地 東京都板橋区大山町11-11
TEL 03-3956-5982
アクセス 東武東上線「大山駅」南口から徒歩3分

※作品購入などの問い合わせはホームページからご確認ください