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御菓子司 塩野

おかしつかさ しおの

父子二代、七十余年にわたり赤坂の地で愛されてきた和菓子店。
街並みは変わっても、普遍的なものをみつめる姿勢は揺るぎません。

昭和の時代、高級料亭の黒板塀がつらなり、芸者衆が通りを行き交う赤坂は、東京でも指折りの粋な町でした。昭和22年(1947)に赤坂2丁目の一角で創業した「塩野」の和菓子は、高価な材料と確かな職人技で目も舌も肥えた各界人から定評を得、今日に至る地歩を築きました。

初代の髙橋十一さんは、溜池にあった老舗「塩瀬」の和菓子職人でした。終戦を機に退職して独立。当初は生菓子と干菓子を中心に作り、料亭を回って注文をとるところから始めて次第に種類を増やしていきました。端正な四季の生菓子はもちろん、たねと餡が絶妙に調和した最中、熟練の技で練り上げる羊羹などは、初代の技を受け継いで数十年変わらない「塩野」の定番商品です。

二代目の当主・博さんは大学を卒業後、大阪の老舗「鶴屋八幡」で1年間修業して戻り、店に入りました。父親の技と味を守るとともに、「塩野」ならではの新しい和菓子も追求してきました。蜂蜜を使ったふっくらとした皮に甘さ控えめの餡をはさんだ「どら焼」は、平成になってお客さまからの要望にこたえて始めました。上品な味わいは今、若い人にも大人気です。


田町通りに面した旧店舗を建て替え、令和3年(2021)5月に9階建てのビルが完成しました。地下に材料倉庫、2階に製造工場があり、餡や生菓子はすべてここで作られます。白い暖簾をかけた1階売店には引きも切らずお客さまが訪れ、いつも賑わっています。


「塩野」の和菓子は贈答用として定評があります。箱入りの各種詰め合わせを用意しているほか、お好みで組み合わせは自由です。


最中は3種類。左から、数寄屋を模した「栗最中」1個300円、菊花模様が美しい「菊最中」1300円、小判型の「常盤松最中」1160円。餡はいずれも大納言粒餡で、「栗最中」には刻み栗が入っています。日持ちは10日間です。


月替わりで14種類ほどが店頭に並ぶ上生菓子は1450円。初代が作った、皮むきこし餡入り薯蕷饅頭の「柚子饅頭」は今も12月の定番です。


昭和41年(1966)ごろに登場した「栗羊羹」は、栗がたっぷり入った贅沢な味わいが堪能できます。14500円、小1800円。日持ちは3か月と長く、贈り物におすすめです。


「どら焼」1320円。


季節をぎゅっと凝縮したような、かわいらしい「干菓子」の詰め合わせ。写真は11月のラインナップから10個入り1900円。ほかに5個入り1050円、20個入り3550円もあります。


「当店の餡は、5種類の豆を使い分け、風味を生かして作っています。おいしいお菓子のためには材料を惜しみません。」と語る当主の髙橋博さん。

 

御菓子司 塩野

http://www.siono.jp

所在地  東京都港区赤坂2-13-2
TEL 03-3582-1881
FAX 03-3582-1882
営業時間 9:0018:00(土曜・祝日は9:0017:00
定休日 日曜日
アクセス ・東京メトロ千代田線「赤坂駅」2番出口から徒歩1分
・東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王駅」7番出口から徒歩5分
・東京メトロ銀座線・丸ノ内線「赤坂見附駅」田町通り出口から徒歩10分