月釜・茶会

ジャンルで探す

注目! 地図で探す
買う 食べる 泊まる 体験する 見る 抹茶をいただく 月釜 美術館 お茶の旧跡 お寺・神社

きもの大松

きものだいまつ

人の手で繭から繰った生糸で生地を織り
一針一針心をこめて手縫いで仕立てます

隅田川に面した下町・月島で創業50年以上を数える「きもの大松」の始まりは、小さな和裁教室でした。手仕事を大切にする創業者の思いをそのままに、今も大松専属の国内和裁士が正絹・化繊にかかわらずすべての着物や帯、長襦袢を手縫いで仕立てています。茶道関係のお客さまに好評をいただいているのが、身幅や前身頃、裾にゆとりを持たせた「茶道流仕立®」。茶室での立ち振る舞いを美しく見せる、「きもの大松」独自のこだわりの仕立て方です。現会長の藤井啓二さんが創作した図案を生かしたオリジナルデザインの反物「さびえ好(ごのみ)」シリーズも、お茶席に合う上品な柄ゆきが人気です。

「きもの大松」の商品は、ミャンマーのカイン州にある手仕事シルク工房「パアン・シルクファクトリー」で作られる「ざぐり生糸」をベースにしています。この工房で働くのは日本の伝統的な「上州座繰り」の技を身につけた少数民族・カレン族の女性たち。彼女たちの手でゆっくり繰られた糸は、機械で大量生産される糸に比べると空気を多く含むため、ふわりとした風合いと光沢が特徴で、独特の味わいのある白生地に織り上がります。それを手描京友禅の名匠、五代・田畑喜八さんが染めた色無地「スーチーシルク®」は余所にない逸品です。さらに「パアン・シルクファクトリー」では近年、ミャンマー伝統の腰機(こしばた)を取り入れて糸作りから染め、織りまで一環して手がけるようになり、「まわたシルククロス」と「シルクラグ」が誕生しました。

「きもの大松」では、令和4年(2022)3月に店舗をリニューアル。オリジナルの反物や帯、「ざぐり生糸」を使った商品を展示・販売するとともに、着物の仕立てや直し、手入れについて気軽に相談できる場にしようと、和裁士が常駐するようになりました。さらに和や着物に関するミニ講座を開催するなど、これまで以上に地域に密着した店となることを目指して積極的な活動を展開しています。

 


「スーチーシルク®︎」の色無地の地紋は桐竹。全部で8色あります。


五代・田畑喜八さん作スーチーシルク®︎訪問着。いわゆる“田畑ブルー”の濃淡で表現された、静謐なたたずまいが素敵なオリジナル作品です。


大松の現会長・藤井啓二さんは若い頃、茶道の先生から「お茶席に合う着物を」という注文を受けました。そこで自らオリジナルの図案を創作。その数は伝統柄からモダン柄までおよそ2000枚に及びます。写真は附下の図案「宝尽くし」と、それを生かした反物。


茶道を愛する方の美意識に応えるオリジナルデザインの「さびえ好」シリーズより附下3種。目立ちすぎず、それでいて華やかな品のよい柄ゆきです。


「亀甲花菱」紋様の、つづれ織りの袋帯。


田畑喜八さんの塩瀬名古屋帯と着尺の組み合わせ例。左は「さびえ好」高級丹後ちりめんと「桐」、右は江戸小紋の一種「万筋小紋」と「老松重ね」。店頭ではこのようにいろいろに組み合わせ検討できる楽しみも。


ミャンマーの工房で操った「ざぐり生糸」。江戸後期に生まれ、やがて忘れられた手仕事の技術を受け継ぐ日本人専門家が現地で直接指導しています。



浴用の「まわたシルククロス」(4,400円((税込))(上)と「シルクラグ(約40×60cm)」(22,000円((税込))(下)。どちらも綿に比べて吸湿性にすぐれ、さらっとして肌にやさしい絹の特性を生かした製品です。極太に紡いだ糸を草木で染めて織ったシルクラグは10種類あり、玄関マットやベッドサイドマット、バスマットとして使えます。




繭を一粒ずつ開き、何層も重ねて作る「角真綿」。店頭では10枚入り1650円(税込)で販売しています。ミャンマーの工房ではこれを手で紡ぎ、ミャンマー伝統の腰機でシルククロスやシルクラグを手織りします。


「パアン・シルクファクトリー」は難民の職業訓練・雇用支援を目的に2014年に設けられました。写真は工房で働くミャンマー少数民族・カレン族の女性たち。



マンション1階にある店舗。店内では着尺や帯などを衣桁に掛けて並べています。奥は和裁士の作業スペース。


「きもの大松」専属の和裁士・馬渡美智子さんはこの道45年のベテラン。「着物のお直しやお手入れなど、何でも相談してください」


新しくなった店舗では月1回、和をテーマにしたミニ講座を開催しています。写真は2022年9月に行われた「つまみ細工」の様子。


会長の藤井啓二さん(左)と社長の藤井博行さん。月島と晴海の間を流れる、朝潮運河に架かる清月橋のたもとにて。


ミャンマーにおけるシルク事業は、工房立ち上げの当初から博行さんの姉・藤井由貴さんが担当してきました。写真は「東京キモノショー」の和マルシェにて。

 

きもの大松
https://kimonodaimatsu.co.jp

所在地 東京都中央区月島4-8-10-101
TEL 03-3533-0529
FAX 03-3531-7040
メールアドレス info@kimonodaimatsu.co.jp
営業時間 10:00〜19:00
定休日 なし
※夏季休暇・年末年始休暇あり
アクセス 東京メトロ「月島駅」・都営大江戸線「月島駅」10番出口から徒歩5分