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懐石 一文字

かいせき いちもんじ

料理、器、設えの三つが調和して奏でられるもてなしの心。
花街・神楽坂の風情を残す部屋で茶懐石の真髄が味わえます。

善國寺(神楽坂毘沙門天)の脇を東へ抜ける、細い石畳の路地に立つ瀟洒な木造二階家。小さく店名を染めた白い暖簾だけが、ここが料理屋であることを告げています。「懐石 一文字」は、茶事専門の出張料理人として護国寺御用達をいただく廣瀬和彦さんが、茶席以外でも懐石料理を味わってほしいと平成17年(2005)に開いた店です。品書きはなく、昼夜ともに3種類のおまかせコースのみです。

廣瀬さんは調理専門学校を卒業後、赤坂の「料亭龍村」に入ります。この、赤坂花柳界指折りと謳われた名料亭における修業時代に茶道と出会い、各界で活躍する教養人、知識人の薫陶を得たそうです。30代で勝どきに看板を出さない店を持ち、出張料理人として独立。さらに勉強と経験を重ね、一期一会の茶会ならではの緊張感も楽しめるまでになりました。

「懐石 一文字」の魅力の第一は、旬の素材の風味を生かしきる料理の技。第二はその器です。廣瀬さんの美意識にかなった骨董や作家物が次々に登場して目を喜ばせてくれます。声高に主張することのない店内の造作や調度品、さりげなく掛けられた文化財級の江戸琳派の軸。店主のもてなしの心が横溢する空間で、静かで贅沢なひとときが過ごせます。


店は料理茶屋を改装しました。1階にカウンター席、2階に座敷があります。玄関の上がり框から奥へ、酒井抱一の掛け軸がいざないます。


茶室をイメージした1階のカウンター席。北山杉、こぶしなど柱の材にも変化をつけています。


2階の座敷は二間あり、合わせて最大8席。写真は床の間のある奥の部屋です。


料理はおまかせで、昼は8000円・1万2000円・1万6000円、夜は1万2000円・1万6000円・2万円と各3種類のコースがあります。写真は9月のお造りの一例。江戸切子の器に鰈の昆布じめを盛りつけ、加減酢を敷きます。つまは穂紫蘇、黄菊、甘辛く煮た岩茸。折敷は村瀬治兵衛工房の作。


9月の椀盛の一例。淡路島の鱧、松茸、いんげんに青柚子を添えて。すまし汁は、昆布と鰹節を均等なつよさで整える関東風のだしで仕立てています。「食べ終わって、ああおいしかったと言ってもらえる味付けです」


燗鍋と朱盃を茶事「千鳥の盃」の設えで。八寸に使う陶器の蓋を載せました。


表情豊かに、巧みな話術でひきつける廣瀬和彦さん。「私も還暦を過ぎ、叱ってくれる人がいなくなりました。さらに成長するために、かつて叱られたことを繰り返し思い出し、初心に戻るよう心がけています」

 

懐石 一文字

住所 東京都新宿区神楽坂3-6
TEL 03-5206-8223
FAX 03-5206-8227
営業時間

昼12:00〜14:00(入店) 夜18:00〜21:00(入店)
※前日までに要予約※店内禁煙

定休日

不定休

アクセス

JR「飯田橋駅」西口から徒歩6分
地下鉄「飯田橋駅」B3出口から徒歩5分

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