千葉県山武市の農家建築再生

椿さんが再生させた農家本家の家は母屋と離れの茶室から成り、水田が広がり緑の小山が点在するのどかな農村風景の中に堂々とした姿を見せています。本家の当主が建てようとして挫折した家は、どういうものだったのか。屋根と骨組みだけで放置されていた家の再生にあたり椿さんは、40年前に建設を手掛けた地元の大工の思いを理解し、できるだけ元の建物を生かすことを心掛けたそうです。
軒先の飾りなどもすべて大工が手掛けており、これだけのレベルの建物は見たことがないと椿さんを驚かせました。

10畳3間続きの母屋の表座敷。

母屋とは渡り廊下でつながっている離れの茶室。

渡り廊下の軒を飾るのは、大工の手になる透かし模様が施された格天井です。

母屋には採光を意識した洋間もあります。装飾的な布張りの壁、格天井、シャンデリアは当時のまま。

当時の最新式の設備を備えたキッチン。天井と窓に面影が残ります。
椿さんの考える古民家再生のポイントは、元の建物をできるだけ生かし、長い歴史を積み重ねてきた地元の伝統を大事に受け継ぐこと。今回も地元特産の山武杉を多用し、施工は地元の大工に発注しました。